『パキスタン北部地震災害 TDMAT活動報告 第04報』
報告
橋爪医師(岸和田徳洲会病院)
萩原氏(東京本部 海外事業部)
パキスタン イスラマバードより
10:00
イスラマバード発
09:30
Abottabad(アボタバット、イスラマバード北43Km)市に到着
Ayoub(アユーブ)病院を視察 1000床程度の病院
入院を多数かかえていたが、本日朝に強い余震があり、大半が病院敷地内に出て、炎天下のもと環境が非常にわるかった。医療チームは韓国とUKの2チームが活動していたが、共動していない。
UKチーム(イスラム系?ボランティア団体と思われる:総勢10名)
韓国チーム(Korean Emergency Medical Aid Team : 32名)
4日前到着し、これから1ヶ月滞在予定。
活動は外部テントを2張り用意して医療活動を展開毎朝10時より、Ayoub病院長とのミーティングを開いている警察、軍、行政官庁関係者は来ていないとの情報。
10:30
Mansehra(マンセラ、Abottabad北12Km、30分程度)市に到着
District Headquarter Hospital(ディストリクト・ヘッドクオーター・ホスピタル)
マンセラ市にある県立病院、350床の病院で増築中の建物が完成したら1200床の病院、総数450名の患者が滞在敷地内のテント村(約50)に軽症者および処置の終了した患者がいる。入院していた患者は、ここも余震のため建物の外に野ざらし状態。 新しく周囲の奥地(山間部)からまだまだ新しく患者が運ばれてきている。
医療チーム
MSF( Medecin sans frontier 国境無き医師団―4名)
主にテントの設営(巨大テント2つ)と水の供給設備の設営
HUMADICA(ドイツ人チーム-4人)
手術を主にしている、簡易ICUを用意中とのこと
マンセラ県立病院との面会
<打ち合わせをした病院のスタッフ>
Dr Siddiqur Rehamaro (Medical superintendent-病院責任者)
Dr Niaz (Deputy Medical Superintendent)
Dr Muhammad Zaheen(Deputy Director)
Dr Muhammad Zaheenが患者の配置・収容状況、手術室、宿舎等を案内してくれ、我々徳洲会チーム10人にたいし、宿舎は建物の一部の2部屋(トイレ、シャワーあり)を提供頂けることを約束してくれた。同時に、新患者の為の大テントを出来るだけ多く欲しいと依頼あり。
以下の医療物資の要求がドイツチームよりあり。
- Operation Table(手術台) 1台
- Sucker machine(吸引器) 3台
- Cautry (電気凝固・止血用) 2台
- Pneumatic tourniquet(ターニケット)
- Autoclave(オートクレーブ)
- Power Drill (electric and pneumatic)
また、チーム編成上どのようなStaffを希望するのかという問いに対しては
- 麻酔科医
- 整形外科医
- 手術の手伝いができる看護師
両病院ともまだ外傷後の手術等治療対象患者が多数残っており、TDMATの活動場所は十分にあるものと考えます。患者数は同程度、建物や敷地の広さからはAyoub(アユーブ)病院の方が余裕があり生活環境としては良い、しかしながら、手術対象患者を抱え実際に手術等を行っているマンセラの病院の方が医療ニーズは高いと思われます。
マンセラ県立病院の生活環境
滞在場所:病院敷地内の建物の2室(8畳程度)
トイレ(イスラム形式)およびシャワー、洗面完備
食事は自分たちで確保して欲しいとのこと
また、イスラマバードまで車で3時間程度。
必要な医療物資
表在外傷・四肢の骨折を対象とする手術機材、ガーゼ交換等の衛生材料、点滴・抗生物質等の薬剤など。ドイツチームからは、テントはぜひ検討いただければ幸いとのこと。