4月16日(金)

8:20

先遣隊が西寧に向けて北京を出発。(現地時間7:20 CA1207)

11:00頃

先遣隊3名が午前11時頃(現地時間10時頃)西寧の空港に到着。

機内に救援目的の人民解放軍軍人が多数乗っており、到着までの間情報交換をした。彼等の話では約10時間で被災地の玉樹県へ行けるとのこと。

12:00頃

現在空港に約25台の救急車があり、約300人の被災者が西寧に搬送されているとのこと。空港にいた青海省人民病院のスタッフから青海地震に関連した現在の状況を聴取。

まず空港及び西寧市の状況を尋ねたところ、搬送されてきた被災者を診察している政府系の病院が6箇所ある模様。西寧にて緊急医療活動が求められているか、可能性を探ってみたところ、医師の数は十分足りているとの返答を受けた。その上で、もしTMATが西寧で医療活動を希望するなら、受入れも検討するという好意的な提案があった。

被災地にて調査をする可能性を踏まえて、スタッフより、西寧からの道程の説明を受けたところ、途中には共和(キョウワ)及び瑪多(マトウ)という町があり、それらの町では宿泊できる所があるとのこと。但し、共に標高の高い所に位置している。

尚、海外の援助団体については現地入りしている団体もあるようだが詳しくはわからないという説明を受けた。

これより青海省の行政機関や西寧にある病院を回って情報収集することを決定。

13:00頃

青海省西寧市の災害対策本部を探すため、いくつかの行政機関をまわったが、対策本部を見つけることができず、また活動に有益な情報も得られなかった為、西寧市にある病院を訪問することにした。

14:00頃

青海大学付属病院を訪問。同病院には医者と看護婦合計30名が救急患者の為に救急外来前に待機していた。この病院にいた、地震の被災地から搬送された患者は約140名であった。

15:00頃

青海省赤十字を訪問。同病院の患者の内、地震の被災者は約40人であった。青海省赤十字のスタッフ約100人が被災地へ行っており、その補充として中国各地から応援スタッフが来ていた。診療の見学を申し込んだところ、整形外科の付添いで、見学することができた。被災した多くの患者が骨折等の外傷を負っている旨把握した。

尚、この病院に来た外国の医療チームはTMATが初めてとのこと。

西寧では新しい症例について対応の要請はあるものの、緊急医療援助のニーズは低いとの認識を持つに至った。

これより西寧から車で2時間の距離にある共和へ移動。

19:00頃

共和に到着。現地の方によると、西寧に住んでいる大半は漢民族である一方、共和のマジョリティーは玉樹と同様チベット民族であるので、玉樹の大多数の人にとっては共和のほうがより親しみのある町とのこと。人口は中心地約20万人、県全体では約40万人の都市であり、共和から玉樹にかけてのルートに他に大きな町はない。途中の瑪多(マトウ)という町でも人口約5千人の町である。共和には国立の病院があり、同病院はベッド数330、医師200人、看護師100人という規模で、共和から玉樹にかけてこのような大きな病院はない。

現地の国立病院を訪れ、院長から様々な情報を確認した。

同病院には23名の患者が被災地より運ばれ、そのうち重症だった13人は西寧の病院へ搬送されたとのこと。

この病院から15人のスタッフが4台の救急車で玉樹へ救援に向かった。

病院は非常に落ち着いている上、スタッフ、医療器材共に充足しており、今後患者が多少増えることが予測されるが、それにも対応できるとのこと。

尚、ここでも、外国の医療チームで同病院を訪れたのはTMATが初めてであった。

情報収集を終え、宿泊予定の西寧に向けて出発。

22:00頃

西寧の宿泊地に到着。

23:00頃

西寧及び共和で行った情報収集を基に討議した結果、以下の結論に至った。

  1. 被災地近隣都市(西寧、共和)の病院が大人数の医師及び看護師を被災地へ送っている為、被災地での医師の需要が際立って高くはないと予想されること。
  2. 被災地近隣都市の病院には、今後もし患者数が増加しても十分対応可能な人数の医師及び看護師がおり、追加の医師及び看護師のニーズが低いこと。

上記二つの理由から今回は緊急災害医療チーム本隊の派遣は見送ることとなった。

空路で搬送された患者を迎えるため待機している救急車(西寧空港)

空路で搬送された患者を迎えるため
待機している救急車(西寧空港)

救急外来前で待機する多くの医療スタッフ(西寧市内大学病院)

救急外来前で待機する多くの医療スタッフ
(西寧市内大学病院)

西寧市内では救援用車両が多くみられた

西寧市内では救援用車両が多くみられた

西寧にある赤十字病院院長から情報収集。病院からは100名のスタッフが現地へ向かった。

西寧にある赤十字病院院長から情報収集。
病院からは100名のスタッフが現地へ向かった。

玉樹から搬送された足を怪我した女児

玉樹から搬送された足を怪我した女児

玉樹から搬送された患者

玉樹から搬送された患者

玉樹から搬送された患者

玉樹から搬送された患者

海南地区チベット自治州にある国立病院の院長から情報収集

海南地区チベット自治州にある国立病院の院長から
情報収集

(文責 TMAT事務局コーディネーター 古田・猪俣)