7月28日よりパキスタン北西部に降り続いた雨により洪水が発生し、多数の人的及び物的被害が出ていると報じられた。TMATでは緊急医療支援を視野に入れ、情報収集活動を開始した。

7月30日

11:00頃

パキスタン北西部、カイバル・パクトゥンハ州(旧北西辺境州)にて28日から降り続いた雨により洪水が発生し、少なくとも90人が死亡したとの報道が流れた。

7月31日

12:00頃

パキスタン北西部の洪水被害による被災者が400名以上に達し、家屋が100棟以上流され、あらゆる地域の道路が閉ざされていると報じられた。軍が救助活動を開始した模様。

13:00頃

TMAT事務局で情報収集活動を開始した。

16:00頃

在パキスタン日本国大使館及び在カラチ日本国総領事館へ問い合わせをした。現地に長く関わっている館員の話によれば、10年間でこの規模の洪水が北西部を襲ったことはないとのこと。

17:00頃

報道によれば、パキスタン北西部の被災者は67万人、国内全体では87万人にも上るとのこと。

18:00頃

現地で取材をしている日本の報道機関に現地の状況を問い合わせたところ、山間部の被害が酷く、交通被害も大きい為取材も難航している旨が伝えられた。

21:00頃

報道によれば、洪水の死者は800名に達したとのこと。また、多くの被災者が熱、下痢や汚水で伝染する病気に悩まされているとのこと。

8月1日

12:00頃

現地在住の邦人が経営している旅行会社と連絡がとれ、被害状況の調査について、TMATに協力する旨先方より伝えられた。

6:00頃

パキスタン赤新月社(現地赤十字社)が被害についてのレポートを発表した。

18:30頃

現地で活動を始めたNGO団体があるとの情報を入手し連絡を開始した。

20:00頃

パキスタンの首都イスラマバードの病院と連絡がとれ、現在のところ首都には洪水の被災者が運ばれて来ているという情報はないとのこと。

8月2日

9:00頃

メディアにて、北西部の洪水による死者が1,000人を超えた旨報道がなされた。また、2万7千人が孤立した状況に陥っているとのこと。

13:00頃

被災地周辺の病院の情報を入手した。病院へのアクセスが閉ざされている為、現在被災患者の数は予想していたほど増えていないとのこと、北西部のあらゆる地域、特に川沿いの地域は被害が甚大とのことである。また、川が下流へ流れている為今後被害が南部に拡大する恐れがあると現地で報道されている旨伝えられた。

15:00頃

ペシャワールにある日本のNGO団体と関連の深い病院へ連絡をとったところ、やはり現在被災患者は微増しているものの、現況のスタッフで手に負えないほどの人数は来ていない旨連絡があった。

16:00頃

ペシャワールの陸軍病院と連絡をとったところ、被災患者数は通常の2倍くらい増えているが、それに対応できるだけの医療スタッフは足りているとのこと。ただ医薬品等の物資が不足しているとのことであった。

18:00頃

2005年パキスタン地震の際TMATに対して全面的支援をしていただいた建設会社スタッフと連絡がとれた。首都は被害が少ないとのこと。

19:00頃

パキスタンのNGO団体と連絡がとれ、数箇所被災地にキャンプベースを作って食料支援や医療支援を行っているとの連絡があった。

また、国際NGO団体とも連絡をとり、現在治安上比較的危険度が低いところで食糧支援及び医療活動を開始したとの情報を得た。

8月3日

8:00頃

メディアにて、邦人8名が被災地から救助されたとの報道がなされた。

11:00頃

死者数が1,500人に達し、コレラなどの汚水による病気が蔓延し始めた旨が報道された。

今回の活動の情報収集におきまして、現地で活動されている「飛島建設株式会社」様 及び「日・パ旅行社」様 の全面協力を得ております。また、医療チーム派遣の際には隊員、物資の輸送に関して「全日本空輸株式会社」様のご支援のお申し出をいただきました。
その他多方面からのご支援を頂いております。

ご協力誠にありがとうございます。

引き続き現地の被災状況及び医療ニーズに関しまして情報収集をおこなってまいります。

本部事務局橋爪 慶人 弘生会病院(現:東大阪徳洲会病院) 院長 TMAT理事
原野 和芳 四街道徳洲会病院 院長 TMAT監事
野口 幸洋 四街道徳洲会病院 管理栄養士 TMATベーシックコースチューター
猪俣 森太郎 TMAT事務局

(文責:猪俣森太郎)