2026 年 8 月 8 日 21:00

第11報

■ 災害概要
7 月28日に発生した「令和8年熊本地震」(M7.1、最大震度7)に対し、TMATは熊本県八代市にて緊急医療支援を継続している。八代トヨオカ地建アリーナ救護所での診療・巡回に加え、国立病院機構(NHO)、日本赤十字社、DWAT、JRAT、モバイルファーマシー、行政等の関係機関と連携し、避難者の健康管理、DVT(深部静脈血栓症)予防、リハビリ支援、感染症対策および避難環境の整備を進めている。地震に伴う外傷患者が減少する一方、避難生活の長期化に伴う発熱等の感染症、慢性疾患、服薬継続、ストレス、ADL低下等への対応が重要となっている。

■ 行動経過・活動実績(2026 年 8 月 7 日夜~8 月 8 日)
【夕診・当直帯(20:00~8:30)】
当直メンバー:小原看護師、横尾救急救命士
19:00 夕診終了後、夜間診療・巡回体制へ移行した。夜間は新規避難者の受け入れ対応を行うとともに、体調不良を訴える避難者への健康相談・アセスメントを実施した。服薬中断や慢性疾患等が背景にある避難者については、翌日の救護所診療やモバイルファーマシー、地域医療機関へつなぐ方針とした。

21:15 小原看護師、横尾救急救命士が施設内外の巡回および車中泊者の状況確認を実施した。夜間から早朝にかけ、発熱や疼痛等を訴える避難者についてバイタルサイン等を確認し、必要に
応じてオンコール医師へ相談のうえ対応した。早朝には発熱者1名について、感染症を考慮したアセスメントを行い隔離スペースへ移動した。オンコール医師と連携して検査・経過観察を行い、感染拡大防止に配慮した対応を実施した。

8:30 TMATミーティングにて夜間活動の申し送りを実施した。

【朝ミーティング・日中活動(8:30~12:00)】
9:00 八代トヨオカ地建アリーナ救護所で午前診療を開始した。
9:30 アリーナ全体ミーティングを実施。あわせて小アリーナでDVTスクリーニングおよび健康状態の確認を行い、診療が必要な避難者を救護所へ案内した。
10:00 避難者とともにラジオ体操を実施し、DVT予防および身体活動の維持を図った。
10:30 NHO熊本南病院チームと連携し、避難所マップの修正および健康状態の確認を実施。体調不良者について救護所受診を案内した。
11:00 2 階避難スペースの健康スクリーニングおよびダンボールベッド配置の調整を実施した。
また、JRATと協働し、起き上がり等に支援を要する避難者5名へベッド用手すりを設置した。新規避難者の受け入れや避難エリア間の移動についても、関係スタッフと連携して対応した。

【昼~午後:調整会議・巡回・個別支援(12:00~15:00)】
12:40 保健医療福祉調整会議へ参加し、地域医療機関の状況、感染症対応、避難所運営および今後の支援体制等について情報共有を行った。
13:00 午前診療分のJ-SPEED入力を実施。時間外受診者についても随時対応した。
14:30 八代市立第二中学校への巡回を実施した。日本赤十字社小児科チームと連携し、小児避難者の健康状態および避難生活への適応状況を確認した。継続的な観察や生活環境への配慮が必要なケースについて、関係者間で支援方針を共有した。
また、ロジスティクス部門と連携し、2階・ロビーから小アリーナへの避難者移動を行い、避難所マップを更新した。

【夕方以降:診療継続・感染症対策(15:00~20:15)】
15:00 定時のラジオ体操を実施するとともに、午後診療を開始した。午後は発熱を訴える避難者が増加傾向となり、診療補助、再診対応および受診勧奨を継続した。
17:00~ COVID-19陽性者3名を確認したため、関係機関と連携し、隔離スペースの確保、家族への対応、ベッドコントロールおよびゾーニングを実施した。
20:15 避難環境改善の一環として、2階廊下で生活していた避難者5名を小アリーナへ移動した。

【アリーナ関係者会議】
17:00 施設職員、TMATおよび関係支援団体によるアリーナ会議を実施した。発熱・COVID-19発生時の対応フロー、心のケア、お盆期間中の診療体制、避難所再編、感染症対策、リハビリ・
福祉支援等について情報共有を行った。
避難生活の長期化に伴いストレスを訴える避難者も増えていることから、日本赤十字社やDPAT等と連携した心理的支援体制について確認した。また、避難所内の手すり設置、女性・小児に配慮した環境整備、感染症対応スペースの整備等についても関係機関と連携して進めている。
DWAT では、帰宅や生活再建に向けた個別ケース支援を開始しており、行政・福祉・ボランティア等と連携した中長期的な生活支援体制の構築を進めている。

■ 診療・活動実績まとめ(2026 年 8 月 8 日)
【アリーナ内 診療実績】 午前診療:10名 午後診療:20名 アリーナ内診療 合計:30名
【巡回診療 実績】 八代市立第二中学校等への巡回を実施。新規診療者:0名
【薬剤継続支援】 かかりつけ薬局等への調整:10件 薬剤配送調整:1件

地震に伴う外傷患者は引き続き減少傾向にある。一方、避難生活の長期化に伴い、発熱等の感染症、持参薬不足、慢性疾患の増悪、ストレスや生活環境の変化に伴う体調不良への対応が中心と
なっている。本日は特に感染症対応が増加しており、関係機関と連携した隔離・ゾーニング、健康観察および避難環境の調整を実施した。

■ 今後の予定
避難所内の感染症・熱中症対策を継続するとともに、救護所診療や周辺避難所への巡回を通じて、避難者の体調変化を早期に把握する。また、DVT予防、ADL低下予防、心のケア、服薬継続支援等についても各専門チームと連携しながら継続する。今後も行政および関係支援団体と連携し、避難所の再編や地域医療の復旧状況を見据えながら、避難生活の長期化に対応した継続的な医療・生活支援を実施していく。

事務局担当
野口 幸洋(NPO法人TMAT事務局長/一般社団法人徳洲会東京本部)
阪木 志帆(NPO法人TMAT/一般社団法人徳洲会東京本部)
浅野 京香(NPO法人TMAT/医療法人徳洲会徳之島徳洲会病院)

文責 事務局 野口 幸洋