2026 年 8 月 9 日 21:00
第12報
■ 災害概要
7 月 28 日に発生した「令和 8 年熊本地震」(M7.1、最大震度 7)に対し、TMAT は熊本県八代市にて緊急医療支援を継続している。八代トヨオカ地建アリーナ救護所での診療・巡回に加え、国立病院機構(NHO)、熊本南病院、JRAT、DWAT、DPAT、保健師、モバイルファーマシー等と連携し、感染症対策、避難者の健康管理、服薬支援、リハビリ・福祉支援および避難環境の整備を進めている。避難生活の長期化に伴い、感染症、慢性疾患、心理的負担、ADL 低下等への継続的な対応が重要となっている。
■ 行動経過・活動実績(2026 年 8 月 8 日夜~8 月 9 日)
【夕診・当直帯(20:00~8:30)】
当直メンバー:友村看護師、成田薬剤師
20:15~22:45 感染症対応が必要な避難者および付き添い者を感染対応スペースへ案内し、健康状態を確認した。
6:30 発熱を訴える避難者の時間外相談に対応した。バイタルサインは安定しており、緊急性は低いと判断し、9:00 からの救護所診療を案内した。
夜間の避難者は 302 名、車中泊は 20 台であった。
【朝ミーティング・日中活動(8:00~12:00)】
8:00 本部および小アリーナ内の環境整備、要配慮者への支援を実施した。
8:30 TMAT 朝ミーティングを実施し、感染症の疑い・発熱者への対応、診療体制、ゾーニング、段ボールベッド、発熱待合の環境整備等について確認した。あわせて巡回、薬剤、リハビリ、福祉用具等の各支援チームとの連携方針を共有した。
9:00 医師、リーダー、DICT(災害時感染制御支援)チームと協議し、発熱患者を含む診療動線、換気、物品配置、掲示物等を見直した。午前中に感染症の疑い 1 名を確認し、感染対応スペースへ移動した。
9:30 アリーナミーティングにて、避難者配置、空床状況、感染対策および環境整備について情報共有を行った。
10:00 熊本南病院・NHO スタッフと合同で小アリーナ内の健康チェックを実施し、避難者マップを修正した。モバイルファーマシーと服薬状況を確認するとともに、1 階ロビーに自動血圧計を設置し、DWAT 協力のもと 17 名が測定した。
10:00~ 診療補助および JRAT との合同ラウンドを実施し、環境調整と福祉用具ニーズを確認した。車椅子使用者の除圧クッションやベッド手すりの追加について JRAT へ相談した。
10:30~11:30 DPAT、保健師チームの訪問を受け、避難者・支援者の疲弊、帰宅困難事例、避難所の現状および今後の連携について情報共有を行った。
12:00 午前診療を終了し、12 名を診察した。
【午後帯:巡回・感染対策・環境整備(13:00~19:10)】
13:00 別館の環境スクリーニングを行い、感染症対応スペースの増床・ゾーニング、段ボールベッド作成、感染予防策の掲示を実施した。あわせてエアマット、テーブル、パーテーションを設置し、小アリーナのエリアマップを更新した。
13:40 八代市立第二中学校避難所を巡回し、義足使用者の断端部皮膚トラブルに対する処置を実施した。また、救急搬送後に避難所へ戻った避難者の健康状態を確認し、生活上の不安について傾聴した。継続的なフォローが必要と判断し、関係者間で共有した。
14:35 希望の里・たいようを巡回し、DVT 評価として簡易エコー2 件を実施したが、いずれも血栓を疑う所見は認めなかった。便秘相談者には腹部エコーを実施し、薬剤調整の説明と運動を促した。
15:00 避難者を対象にラジオ体操を実施した。
16:00~17:30 アリーナミーティングおよび定例会議を実施し、感染対策、避難者配置、環境整備、物資管理、翌日の床面清掃について情報共有した。薬剤支援では、お薬相談 7 件、医療機関受診勧奨 5 件、一包化依頼 1 件の対応状況を確認した。
17:00~ 翌日の床面清掃に向け、避難者への周知と荷物整理の協力依頼を実施した。小アリーナでは弾性ストッキング着用支援等を行い、別館・ペット利用エリアについても環境整備を進めた。
18:00 アリーナ前で体調を崩した避難者を発見し、診察室へ搬送した。発熱と酸素化低下を認めたため救急要請を行い、医療機関へ搬送した。
18:00~19:10 TMAT 夕方ミーティングを実施し、診療、巡回、感染症、薬剤、福祉・介護支援等について共有した。JRAT、DWAT、保健師、DPAT 等との連携状況を確認し、翌日以降の支援体制について申し送りを行った。19:00 に診療を終了した。
■ 診療・活動実績まとめ(2026 年 8 月 9 日)
【アリーナ内 診療実績】 午前診療:12 名 午後診療:7 名 合計:19 名
【巡回・予防活動】 八代市立第二中学校、希望の里・たいよう等を巡回。DVT 簡易エコー:2件(血栓を疑う所見なし)
【薬剤支援】 お薬相談:7 件 医療機関受診勧奨:5 件 一包化依頼:1 件
感染症疑いの避難者 増加に伴い、感染対応スペースの増床・ゾーニング、感染予防策の周知および診療環境の調整を進めた。避難生活の長期化に伴う慢性疾患、便秘、血圧高値等の健康問題に加え、心理的な不安や疲弊についても DPAT・保健師等と連携して対応した。また、段ボールベッド、エアマット、パーテーション等の整備や居住スペースの調整を行い、多職種・多機関連携による健康管理と生活環境改善を継続した。
■ 今後の予定
感染症対策、避難所内の環境整備および健康管理を継続する。巡回診療・健康チェックを通じて体調変化を早期に把握し、血圧高値、慢性疾患、精神的不安等を抱える避難者について継続的にフォローする。8 月 10 日は 14:30 よりアリーナ等の床面清掃を予定しており、避難者への周知と環境調整を進める。引き続き各支援チームと連携し、避難生活の長期化を見据えた支援体制の維持・調整を行う。


事務局担当
野口 幸洋(NPO 法人 TMAT 事務局長/一般社団法人徳洲会東京本部)
阪木 志帆(NPO 法人 TMAT/一般社団法人徳洲会東京本部)
浅野 京香(NPO 法人 TMAT/医療法人徳洲会徳之島徳洲会病院)
文責 事務局 野口 幸洋





