11月14日

4:30 

セブ島に滞在している先遣隊5名は午前4:30(現地時間3:30)朝のミーティングを行い、2チームに分かれて活動を開始した。高力隊長と荒尾看護師は予定通りAM5:00セブ発 PR236便タクロバン行き航空機にて出発した。西村看護師、佐藤薬剤師、萩原コーディネーターの3名はAM5:40発オルモック行きフェリーにて出発した。2チームに分かれての行動になり、通信状態も不安定なため2台の衛生携帯電話(インマルサット)を利用し頻回報告を行う形で活動を実施いたします。

7:00 

セブ島を出発した高力隊長、荒尾看護師は7:00頃無事タクロバン空港に到着した。空港では軍関係者、国連関係者、各国NGOが集まっている。国連関係者の中に日本人スタッフがおり情報交換を行った。その方に同行してもらい30分後に行われる国連レセプションミーティングに参加する事となった。また、東日本大震災にも支援を行ったというイスラエルのNGO医療チームとも情報交換を行った。

衛星携帯電話の感度は良好で。安全確保の上、密な連絡をとってまいります。

8:00 

タクロバンに到着した高力隊長、荒尾看護師からの報告。国連のレセプションミーティングが参加したが、正式な医療ミーティングは18時より空港から11km離れたホール(近くに病院がある)で行われるとのことであった。タクロバンには各国の医療団体が約10チームほど入っている模様。空港は軍、国連がしっかり警備をしており、町にも約1kmおきに軍を配置しているため治安維持のコントロールはされている様子である。また、JDR(日本の国際緊急援助隊)先遣隊とも会う事ができ、情報交換を行った。

9:00 

タクロバン先遣隊2名

空港から11km離れたシティホールに到着した。国連OHCHAなどがいる様子でこれから情報収集を行い、その後医療チームがいるというナショナルスクールに向かう予定。町には被害を受けた建物が多く見受けられ、ビニールを被せられた遺体も多くある。ただし、怪我等をした傷病者は現在までに見受けられない。

オルモック先遣隊3名

現在フェリーにて移動中(船上から連絡)。あと1時間程度で到着予定との事。こちらも衛星携帯電話の感度は良好である。

 

11:00頃 

タクロバン

高力隊長、荒尾看護師の2名はナショナルスクールに向かい、そこで行われた昼間の医療ミーティングに参加した(正式なものは夕方からとのこと)。なお、各国から支援に入っているチームは20ほどあるとのこと。そこではDOH(フィリピン保健省)が統括しており、現在の医療ニーズについての話がされたが傷病者数や診療数など数に対する報告は一切なかった。近くにある大きな病院ではすでにDOHより50名規模の医療スタッフが入り対応しており、医療スタッフ不足はない様子。DOH統括責任者と話を行いその病院へ視察することになったが、同統括責任者より「すでに外傷のニーズはなく、今後は感染症を含む内科的ニーズへの対応になる」との事。この後病院へ向かう予定。なお、DOHが統括しているこの施設付近では不安定ながら一般携帯電話の使用が可能である。またJDR(日本の国際緊急援助隊)も同ミーティングに参加しており、活動開始を模索しているとのこと。

オルモック

フェリーにて移動中の西村看護師、佐藤薬剤師、萩原コーディネーターの3名は10:00頃オルモックに到着した。大きめの車両をチャーターすることができ、昨日訪問したディクトリクト病院へ訪問した。その後、宿営予定地(昨日中に手配を完了した場所)へ向かい、現在は3名でタクロバンに向かっている。

なお、オルモックにて日本の報道機関TBSの取材を受けたとのこと。

12:00頃 

タクロバン

高力隊長、荒尾看護師の2名はDOH(フィリピン保健省)の案内でDOHが統括している病院 EVRMC(イースタン・ビサヤス・リージョナル・メディカルセンター)を視察した。患者はいるものの、ほとんどが内科的な疾患であることが見受けられる。DOHの案内で今後も他チームが活動している場所を視察し、引き続きニーズ調査を行う予定。

オルモック

オルモックからタクロバンを目指している3名は現在車両にて陸路移動をしている。やや道は車で混雑している(脇に建物被害等があるため)模様。

14:00頃 

タクロバン

高力隊長、荒尾看護師はEVRMCを視察後、韓国チームが支援に入っているディバインワード病院を視察した。韓国チームと話をしたところ、明日には数十名規模で韓国から追加チームが到着するためスタッフ不足はないとのことであった。ここでも医療のニーズは大きくない模様。その後2名はタクロバン空港へ戻った。

オルモック

車両移動をしていた西村看護師、佐藤薬剤師、萩原コーディネーターは14:30頃タクロバン市内に入った。

14:50頃

両チームはタクロバン空港にて無事に合流した。この後タクロバンよりやや南の「パロ」という町を視察したのち、メンバー5名は一度オルモックへ戻ることとした。

なお、タクロバンの天候は大雨であるとのこと。

18:30頃 

タクロバン空港で合流した5名は、その後陸路にてタクロバンの南(医療ミーティングでニーズがあるという話がでていた地域)を目指した。タクロバンより南へ15kmほど行ったところにあるタナウアンという町で情報収集を行った結果、町のホールでアメリカのチームが活動をしており外傷患者を含めた多くの患者がいた。地元の市長(町長)が主導しており、地元看護師も活動をしている。本日だけで外科(比較的重傷なもの)的患者が40名以上来ていたとの事。このアメリカチームは地元市長の自宅を宿営地としており、また軍による警護も行われており、セキュリティも問題ないとのこと。このアメリカチームの大部分が明日撤収の準備をするため、TMATへ引き継ぎ部隊としての支援の依頼を受けた。

高力隊長が現地で協議した結果、明日からタナウアンを拠点に活動を開始することを決定した。また、併せて医療ニーズが十分にあると判断してTMAT幹部で協議したうえ第1陣の派遣も決定した。

5名は本日一旦、オルモックに戻り、明日朝再びタナウアンに向かう予定。現在オルモックに向け移動中である。

19:00頃 

TMATメンバーに対して、第1陣派遣メンバーの募集を開始

21:30頃 

タクロバンから戻った高力隊長始めとする5名は20:30頃無事オルモックに到着した。明日、タナウアンでの診療活動を実施するにあたり、アメリカチームからの申し送りを受けるため、オルモックを5:30(現地時間4:30)に出発しタナウアンを目指す予定(本日と同じドライバー、車両をチャーター)。

この報告を持って本日の活動を終了となった。

明日は本隊派遣の準備と並行して報告をいたします。なお、明日正午より16:00ころまでは大橋慶太(中沢病院/放射線技師)が事務局を担当いたします。

明日もよろしくお願いいたします。

 

事務局 野口 幸洋 (文責:野口 幸洋)