遠方から続々参加

実際にトランシーバーを使用して別室の受講者とやり取り

実際にトランシーバーを使用して別室の受講者とやり取り

NPO法人TMATは6月8日から2日間、湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)で第35回災害救護・国際協力ベーシックコースを開催した。同コースは、TMAT隊員として国内外の被災地で救護活動などを行うにあたり修了が義務付けられている講習会。

今回は定員の30人が受講。屋久島徳洲会病院(鹿児島県)や福岡徳洲会病院、住友病院(大阪府)など遠方の医療従事者や、介護老人保健施設武蔵野徳洲苑(東京都)の事務職員の姿も見られた。

初日は座学と実技。座学では、災害医療総論、病院防災、自炊訓練、特殊災害、通信機器、感染症・予防接種などをテーマに講義を行った。

一方、実技ではトリアージ(重症度選別)や巡回診療、ロジスティックス(物流)、通信機器などをテーマに、5グループに分かれて実施。トリアージでは、災害現場と病院前の2カ所を想定し、受講者が被災者に順次、重症度を示すタグを取り付け、すべての被災者に対応した後、注意すべきポイントなどを解説した。

2日目は、初日の内容を振り返るテストや、記者会見の訓練などを行った。すべてのプログラムを終えた後、修了式を実施、30人全員が修了証を手にした。

以前から関心があり参加したという屋久島病院の田村亜寿美看護師は「離島のため、自院が入院機能を失った時の対応などを考えさせられました」と振り返った。

コースリーダーの髙力俊策・湘南藤沢病院外科部長は、同院からの参加者が全体の6割以上を占めたことに対して、一昨年の東日本大震災、昨年の病院新築移転が影響していると分析。

TMAT理事の橋爪慶人・東大阪徳洲会病院院長は「今回も徳洲会グループ以外の方が参加してくれました。グループに関係なく、各自が学んだことを勤務先で広めていってほしいと思います」と語った。