11月13日

8:00頃 昨日フィリピン・セブ島に到着した先遣隊5名は先ほど13日の活動を開始。予定通り、高力隊長、西村看護師、萩原コーディネーターはセスナ機にてレイテ島西海岸の町オルモックに向かう予定。

荒尾看護師、佐藤薬剤師はセブ島に残り、日本大使館関係機関および現地での情報収集活動を行う。セブ島の天候は晴れとのこと。なお、報道でもあるように現在レイテ島の被災地では治安の悪化が懸念されています。隊員の安全確保を最優先に活動をして参ります。

10:00頃 レイテ島に向かう予定の髙力隊長をはじめとする3名は、日本人の経営する民間航空会社の協力を得て10:00頃セスナ機で出発した。約1時間の飛行時間をかけて、レイテ島西海岸の町オルモックの空港に到着する予定。

 

セスナ機にてレイテ島へ向かった

セスナ機にてレイテ島へ向かった

民間航空会社の日本人社長と情報交換

民間航空会社の日本人社長と情報交換

 

11:30頃 セブ島よりセスナ機にてレイテ島オムロックに向かった髙力隊長を含む3名は、11:30頃無事目的地に到着した。その後レイテ島西側に位置するオムロック中心部を視察。同地域でも一目で分かるほど被害が大きい模様。現在、同地域のホテルで情報収集を行っており、その後同地域の病院に向かい医療ニーズの確認を行う予定。オムロックでもライフラインは復旧しておらず、電気は自家発電、水も出ていない(復旧の見通しはあるとのこと)。食料の確保にも苦慮しているとのこと。通信状況は、不安定ながら一般携帯電話の使用が可能である。

オルモック上空。多くの建物が崩壊しているのが分かる。

オルモック上空。多くの建物が崩壊しているのが分かる。

 

オルモック空港

オルモック空港

一方、セブ島に残っている荒尾看護師含む2名は現在在フィリピン日本大使館セブ出張所に向かっている。その後同地域日本人会、マスコミ関係から情報収集を行う予定である。

 

13:30頃 レイテ島オルモックに入った高力隊長を始めとする3名からの報告。オルモックは一目で台風の被害の大きさが分かるほど、建物等の崩壊が目立つ。町中心部にある病院の一つ、Ormoc Doctors Hospital(民間が経営する100床規模の病院。比較的裕福な病院で、レイテ島で最も高機能な病院であるとのこと)で情報収集を行った結果、病院建物に多少被害はあったが、医師は50名ほどおり、CT等の高度医療機器も稼働、ベットにも余裕がある様子で患者が溢れているという感じではない。医師に話を聞くと医療ニーズもさほど大きくないとの事。同地域は建物等の被害は甚大であるが、事前に台風が来ることが分かっていたため人的被害は免れているようだとの事。また、被害の大きかった同島東側のタクロバンからも搬送はあるが交通アクセスの関係で多くはない模様(タクロバンまでは陸路で約2~3時間程度)。町中心部でもライフラインは復旧していないが、自家発電などを利用して営業しているレストランも見受けられる。簡単な日用品を販売している商店も営業している様子。オルモックにはいくつかの病院が存在しているため、引き続き情報集活動を行う予定。

オルモックの市街

オルモックの市街

建物は酷く倒壊している(オルモック)

建物は酷く倒壊している(オルモック)

大きな木も根こそぎ倒された。

大きな木も根こそぎ倒された。

軍関係者から情報収集をする高力隊長

軍関係者から情報収集をする高力隊長

オルモックに届けられた支援物資

オルモックに届けられた支援物資

 

15:30頃 高力隊長を含む3名の先遣隊は、先ほどのオルモックドクターズ病院に続き、オルモックディストリクト病院を訪問。この二つの病院がオルモックで外来を受け入れている病院であるとの事。ディクトリクト病院は台風により建物の大部分が破壊されており、オペ室等の機能も維持出来ておらず救急外来のみ対応している。勤務する医師のほとんどが被害の大きかったタクロバンから来ているため出勤できず、スタッフ不足に陥っている。

同院より、TMATに対して支援の依頼を受けた。

明日より同院を拠点に活動を開始し、併せてタクロバンのニーズ調査を行う方向で調整する予定。

オルモックディストリクト病院。病院建物の大部分が被害を受けた。

オルモックディストリクト病院。病院建物の大部分が被害を受けた。

病院の内部も水浸し

病院の内部も水浸し

病院内部

病院内部

病院内部

病院内部

病院機能を失い、救急外来のみ対応している。

病院機能を失い、救急外来のみ対応している。

一方、セブ島に残った荒尾看護師含む2名は在フィリピン日本大使館セブ出張所を訪問したのち、明日の交通アクセスの確保のため港へと向かった。

在フィリピン日本大使館セブ駐在管事務所

在フィリピン日本大使館セブ駐在管事務所

オルモック行きフェリーのチケット購入に並ぶ人々

オルモック行きフェリーのチケット購入に並ぶ人々

16:30頃 レイテ島オルモックでニーズ調査を行っていた髙力隊長、西村看護師、萩原コーディネーターの3名は、調査を終え予定通り15:30頃チャーターしたセスナ機で出発し、16:30頃セブ島へ無事到着した。この後、セブ島に残った荒尾看護師、佐藤薬剤師と合流し明日の活動について協議を行う予定。

18:30頃 レイテ島オルモックに向かっていた高力隊長を始めとする3名と、セブで情報収集を行っていた荒尾看護師を始めとする2名17:30頃無事に合流した。オルモックの状況および医療ニーズについての情報共有と明日の活動についてのミーティングを行い、明日は以下のように活動することを決定した。

高力隊長、荒尾看護師の2名は明日朝早朝のセブ発タクロバン行きの航空機にてタクロバンに向かい、現地のニーズ調査を行う。

西村看護師、佐藤薬剤師、萩原コーディネーターは医療物資とともに明日早 朝のフェリーにてオルモックへ向かう。本日確認したオルモックディストリクト病院を訪問したのち、チャーター車両によりタクロバンの2名をピックアップに向かう予定。

合流した5名は、タクロバンの医療ニーズを確認し、タクロバンもしくはオルモックにて診療活動を開始する事とする。

本日もセブ空港近くの宿営地にて1泊する予定である。

21:00頃 セブ島で合流した高力隊長を始めとする先遣隊5名は、明日の活動に関するミーティングを終え、21:00頃本日の活動を終了した。明日は、タクロバンに向かう2人は午前5時(日本時間6時)発の航空機、オルモックに向かう3名は午前5時30分(日本時間6時30分)のフェリーにて出発する予定。

翌日の活動についてミーティングを行うメンバー

翌日の活動についてミーティングを行うメンバー

 

事務局担当

野口 幸洋 (四街道徳洲会病院)

 

(文責 事務局 野口 幸洋)