西日本豪雨災害
TMAT災害医療活動報告

平成 30 年 7 月 19 日 23:00

第11報

7 月 19 日
【今後の活動について】
TMAT 本部にて現在の状況を考慮し、今後の活動について協議。地元の医療機関における保険診療が徐々に再開されていることや、災害関連疾患ではなく定期処方の依頼等が増えていること、医療調整本部(KuraDRO)も支援チームの引き上げを検討していることなどから、TMAT の活動は 7 月 20 日を持って終了することを正式に決定。

【岡山県】
8:00 頃
避難所内スタッフ定例ミーティングに、浦部医師、奥村看護師、石崎看護師、野口事務局が出席。

8:30 頃
診療開始。本日は日本赤十字奈良支部と合同。なお、日赤チームよりTMAT が行う巡回診療活動に同行したいとの申し出があり、一緒に行うこととなった。

9:00 頃
倉敷保健所で行われる医療ミーティング(KuraDRO)に坂元医師出席。岡山皮膚科医師会による皮膚科診療応援に関しての診療場所の提供、モバイルファーマシー撤退に伴い災害処方箋の期限確認、巡回バス・常設タクシーに関しての情報確認、OTC 薬品(市販薬)の管理運営に関しての話し合いを行い、保険診療への移行の方針、日程の確認を行った。また、TMAT は 20 日をもって撤収することを KuraDRO 本部に伝え、了承を得た。

10:00 頃
避難所運営上、昨晩調整を行った部屋移動の必要な 7 家族の移動を開始。移動先への荷物運び、段ボールベッドの搬入等を石崎看護師、 野口事務局が中心となり、竹田看護師、藤巻看護師、村上看護師、 ピースボードさんと行った。移動は順調に進み、予定通りに部屋移 動は完了。これに伴い、子供学習ルームの移転と対策本部移転が行 うことができ避難所運営がしやすくなったと行政側から感謝された。

13:30 頃
巡回診療実施。朝ミーティング看護師、保健師、JRAT、DWAT の巡回から情報提供と診察依頼を受け、ピックアップされた 5 名を中心に浦部医師と村上看護師で医師巡回を行なった。伝染性膿痂疹のため保健室(仮設診療所)へ通っている幼児の処置に対応した。

10:30 頃
TMAT 福島安義理事長が現場視察。仮設診療所、各避難部屋等の視察に野口事務局が同行し現状を報告。行政職員にあいさつと 20 日での撤収について説明を行った。

11:00 頃
朝の医療福祉チームの巡回からの情報をもとに、医師と薬剤師で巡回を行なった。日赤チームの医師リーダーより依頼があり、医師巡回の手順や避難所の概要などを説明しながら共に巡回した。大きなニーズはなく終了した。

14:00 頃
本日行われた小学生への教科書配布に訪れた中学生が体育館で倒れたと診察依頼あり、対応した。熱中症の診断で点滴を施行、症状は改善したため OS1 をお渡しし帰宅していただいた。

15:30 頃
TMAT 看護師 5 名と薬剤師、ロジ、日赤の看護師 1 名、災害支援ナース 1 名にて北館と南館の巡回。体調の変化や排泄状況などを聞き取りを行った。体調不良を訴える方はいなかったが、声かけと同時に OS-1 を配布。また、避難している部屋を代わった方の心境などを聞いて回った。明日も午前中に看護の巡回を行う予定。

16:00 頃
浦部医師、山田救命士と日赤チーム医師、主事とともに一部のトイレ掃除を実施。体育館で遊んでいた小学生 4 人に協力を呼びかけ、共に実施した。

16:30 頃
TMAT の呼びかけにより、行政職員、住民代表、ピースボート(避難所運営支援を行う団体)、DWAT(災害時福祉チーム)によるミーティングを実施。TMAT から石崎看護師、野口が参加。今後の避難所運営に関して、住民主体で行っていけるようするための話し合いが行われた。すでに住民代表とピースボートが話合い、各避難部屋から班長を選出してもらい避難所内生活について決定していく(生活時間、掃除担当、食事担当、設備利用など)こととし、その案内について各避難部屋へ配布されている、避難住民からはおおむね納得の声が聞かれたとのこと。今後定期的にこの会議を開催し、住民代表が音頭を取って進めていくことを確認した。また 21 日には避難住民による班長会議を実施する予定。

17:00 頃
診療終了。本日は総数 30 名、外科 14 名、内科 16 名の診療を行った。地域全体の診療の主な疾患としては災害関連なしの疾患が 27%を占めるような状況になっているとのことで、当避難所でも同様の傾向がみられた。明日の撤収に向け、夕診療を担当する岡山日赤チームの医師リーダーへの引き継ぎを行った。

18:00 頃
坂元医師、吉田薬剤師、野口事務局が倉敷市保健所で行われる夕方の医療ミーティング(KuraDORO)に出席。7 月 23 日より保険診療を開始している 4 病院の協力もと、避難所に巡回バスが回ることが決定。それに伴い 23 日で災害処方箋の運用を終了。24 日以降は県内の医療支援チームのみで対応していく方針が伝えられた。また、全体会議にて KuraDORO での決定事項が避難所運営側に伝わっていない状況をTMAT から報告し対応をお願いした。会議後、TMAT が 20 日で撤収することを再度報告。また、岡田小学校避難所では 21 日以降も引き続き医療支援チームが介入していくことを確認した。さらに、岡田小学校では住民主導により避難所運営への話合いが行われ始めていることを報告した。

19:00 頃
夜間看護師主体での災害支援ナースと共に巡回診療を行い本日の活動を終了とした。

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避難している子供たちや日赤チームにも声をかけ環境整備を実施。

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TMAT の提案で住民代表、行政、支援者でのミーティングを実施

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TMAT 福島理事長が現地視察。

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日赤チームとも密な連携

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診療所では引き続き TMAT が担当

事務局担当
野口 幸洋 (NPO法人TMAT/ 一般社団法人徳洲会東京本部)

(文責 事務局 野口 幸洋)
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