2019年台風19号被害 TMAT災害医療活動報告

令和元年 10 月 14 日23:30

第 2 報

10 月 14 日
【栃木県被害調査四街道チーム】
7:30 頃
獨協医大の中に設置されている対策本部にてミーティングに参加。本日は栃木市 A チーム、栃木市 B チーム、佐野市・足利市チーム
3つに分かれて、JRAT(リハビリ)、DWAT(福祉)のチームと合同でそれぞれ避難所の調査を実施する予定。なお、本日より浦部優子医師が合流して、一緒に活動することとなった。

9:30 頃
栃木市内の避難所は集約され始めており、閉鎖された施設がいくつか見られた。開設されている避難所も、避難者は数世帯のみで昼間は片づけに自宅へ帰っている様子。自宅へ戻るまでには時間を要しそうだが、夜間の対応もコントロールが取れており市職員や保健師が連携して対応に当たっている。
佐野・足利市で一番規模の大きい茂呂山老人福祉センターには現時点で 79 名の避難者がおり、介護を要する方も数名いる。本日より帰宅バスが巡回し始めた為、それに乗って帰宅した人や、近所の方や親戚の方が迎えに来たりで利用者は減少傾向にある。長期化するようであれば、プライバシー保護と段ボールベッドの必要数の洗い出しが必要。しかし、避難者の名簿管理等はしっかりとされており、対応職員についてもきちんとコントロールがとれて、市職員と社協でローテーションで対応に当たっている。船津地区からの避難者が多くみられ、長期化するかどうかは今後その地域の復旧がカギとみられる。情報共有については保健師が巡回に当たっている。

14:00 頃
午前と同様に避難所アセスメントを進めたが、どの施設も高齢 者や要介護者が一定人数いるものの、避難所は縮小傾向にあること、医療的介入の必要性はなし。また、市営住宅の解放や親戚の家に避 難する方が多く、今後避難所の長期化は免れそうで、地元行政の対 応でカバーできている状態である。

17:30 頃
獨協医大にて本日のアセスメント結果と今後の方針について報告した。避難所は縮小傾向であることや、行政職員での対応が可能であることが確認されていたことなどから、栃木県内における
TMAT の活動は本日をもって終了とすることを決定した。報告後、四街道チームは四街道徳洲会病院に向けて出発。

【長野県被害調査湘南藤沢チーム・大阪チーム】
大阪チームの先遣隊メンバーが決定。
〇長野県被害調査大阪チーム
鈴木 裕之 医師 (福岡徳洲会病院)
和田 良美 看護師 (松原徳洲会病院)
武智 一将 事務 (和泉市立総合医療センター)
鈴木医師は早朝の飛行機で伊丹空港(大阪)へ向かう。和田看護師と武智ロジは東大阪徳洲会病院の救急車両を使って鈴木医師と合流次第大阪を出発する予定。

6:30 頃
湘南藤沢チームは長野赤十字病院内に設置されている地域医療調整本部にて情報収集行った。その後発災当初長野市最大(当初は 830 名避難)の避難所となっていた長野運動公園の避難所を訪問。現在は、100 名程度まで避難者が減少していることを確認。

8:00 頃
長野赤十字病院に戻り、医療調整ミーティングに参加。水没で孤立している地域の患者搬送ニーズが大きく、避難所の支援にはまだ手が回っていない状態。TMAT は保健所長や地元保健師と協議し、避難所アセスメントを実施することとなった。

9:00 頃
長野市保健所へ移動し、地元保健師と打ち合わせをしてから共に避難所をまわる予定。

10:30 頃
伊丹空港にて、和田看護師と武智ロジが鈴木医師と合流。長野駅を目指して出発する。長野駅にて物資を受け取り次第湘南藤沢チームと合流する予定。

11:00 頃
湘南藤沢チームは保健師と打ち合わせを終え、本日は5チームに分かれて避難所を巡回することとなった。長野市内には 17 か所の避
難所があり、最大 380 人規模の避難所が出来ていた。地区によっては避難所がほとんど閉鎖されており、医療ニーズが低い地区もある。

15:00 頃
巡回を終え保健所にて再度医療調整ミーティングを行う。各地域での避難所アセスメントの結果を集約し、大規模避難所では医療スタッフの支援が必要な状況であったこと、夜間帯の医療スタッフ常駐を望まれたこと、その他小規模避難所も引き続き巡回によるチェックが必要な状態であることなどから、TMAT としては避難所における支援が必要であると判断。行政保健師と協議のうえ、TMAT は約230 人が避難している「北部レクリエーションパーク」にて活動を行うことを決定。本日夜間帯より当直支援を実施することとなった。また、地元の医療機関が機能している状態のため、診療が必要な方 は原則地元医療機関につなぐようにすることとした。

16:30 頃
TMAT 事務局の阪木が物資を持参し東京より新幹線で長野入り。長野に向かう北陸新幹線は台風通過後運休していたが、昨日より東京
~長野間が便数を制限した状態で再開。本日も 1 時間に 1 便程度で運行されており、問題なく東京~長野間を新幹線移動できる状態となった。

17:15 頃
大阪チームが長野駅に到着。物資を回収後、医療調整ミーティングが行われている保健所へと向かう。

18:00 頃
大阪チームと湘南藤沢チームが合流。本日より「北部スポーツレクレーションパーク」にて当直をすることとなった為、両チームにて当直メンバーを決める。本日は湘南藤沢チームが当直業務を行うこととする。大阪チームは避難所の様子を確認し、本日は長野駅周辺宿舎にて滞在することとなった。

21:00 頃
湘南藤沢チームは避難所にて挨拶回りを行う。その際に、健康チェックの依頼があり、明日の朝に血圧チェックを行う。また、薬の要望があったためかかりつけ医を訪問することや必要性をきちんと説明を行った。避難所は冷え込むとのことだが、布団や清潔な部屋がチームへ提供された。

明日改めて北部レクリエーションパーク避難所や周辺の避難所を巡回し、再スクリーニングを行う予定。長野県には現在、医師1名・看護師2名・ロジ2名のチームとなっており、継続して支援に当たる。

【宮城県・福島県被害調査羽生チーム】
宮城県、福島県においても河川の決壊、氾濫による被害が甚大であることから、15 日に同地域に向けた先遣隊を派遣することを決定。
栃木県先遣活動を行った浦部医師と羽生総合病院から看護師 2 名及び救急車で、まずは宮城県庁に向かい情報収集を行い、同県で被害が甚大であった「丸森町」等の被害状況の確認を行う予定である。
〇宮城県・福島県被害調査 先遣隊メンバー
浦部 優子 医師
奥野 明 看護師 (羽生総合病院)
菊池 圭子 看護師 (羽生総合病院)

栃木県佐野市の様子

長野県松代町の様子

栃木県 DMAT・地元保健師達と巡回アセスメント

長野県医療調整ミーティング

地元保健師と共に避難所アセスメント

事務局担当
野口 幸洋 (NPO 法人 TMAT / 一般社団法人徳洲会東京本部)
阪木 志帆 (NPO 法人 TMAT / 一般社団法人徳洲会東京本部)

(文責 事務局 野口 幸洋)
【2019年台風19号被害】活動報告第2報PDF