熊本地震
TMAT災害医療活動報告
平成28年4月16日 23:30
第3報
4月15日昼時点で、一旦活動を終了していましたが、16日未明の地震(本震)により甚大な被害が出たため、活動を再開いたします。
4月16日
1:26頃
熊本県熊本地方を震源とする、マグニチュード7.3、最大震度6強の地震が発生。
3:00頃
TMAT事務局情報収集開始。14日の地震より被害が甚大であることを確認。
4:00頃
TMAT理事長へ報告。前回より規模を拡大して支援を再開することを決定。
7:00頃
TMAT事務局東京本部を再設置。
8:30頃
本日午前1時25分頃発生した最大深度6強を観測した地震に対して、TMATとしての初動体制について。
- 現在、福岡徳洲会病院を拠点として準備を開始。昨日のTMAT先遣隊坂元医師が現在スタンバイ中。
- TMAT橋爪理事、當麻医師(八尾)、栁澤看護師(四街道)が飛行機にて福岡へ移動を開始。
- 大隅鹿屋病院チームが熊本県八千代にある鏡クリニックに向けて出発準備中。
- 長崎北徳洲会病院チームが午前中に福岡徳洲会病院へ救急車で移動予定。
- 宇和島徳洲会病院チームが午前中に救急車にて福岡徳洲会病院へ移動予定。また、西村看護師(松原)を中心としてチーム(看護師 4 名事務他)が、大 阪より救急車で福岡に向けて出発しました(車両は東大阪徳洲会病院の協力)また、関西地区より他3台の救急車での出動を準備中。なお、DMAT として鹿児島徳洲会病院チーム、福岡徳洲会病院チームが熊本赤十字病院に向けて出発した。
10:00頃
橋爪理事、拠点となる福岡徳洲会病院到着。TMAT現地(福岡)本部設置。8 チームが参集開始。
13:30頃状況
坂元医師(福岡)と中心とする 5 名のメンバーが熊本市の県庁(対策本部)に向かい、現在熊本市内に入った。その他、岸和田、八尾、宇治、宇和島、高砂西部、松原・東大阪の各病院の隊員が救急車で福岡徳洲会病院に向かっている。 福岡徳洲会病院対策本部には、橋爪理事、當麻医師(八尾)、四街道チーム(栁澤看護師他)が到着、今後の対応について調整している。熊本県内の病院はラ イフラインが止まっており、病院機能に大きな支障が出ているとの情報です。 今後天候が荒れる予報です、十分に注意して活動を行ってまいります。
18:00頃状況
○TMAT 坂元チーム(長崎北救急車)
熊本県対策本部に向かい情報収集を行った、坂元医師を中心とするチームは、今回の地震で被害が甚大でまだ医療チームが入っていない南阿蘇へ向かうことになった。途中、土砂崩れの影響で自衛隊による作業があり、その間阿蘇郡西原村にある「山西小学校」の避難所を訪問。約1000 名の住人が避難していた。 軽傷の外傷や、体調不良を訴えた避難者11名の診療をおこなったが、大きな医療ニーズはなし。その後、道路が開通し、南阿蘇へ再び向かった。途中、同阿蘇郡西原村「河原小学校」で情報収集を行い、18:20 頃、南阿蘇村役場に到着した。今後、情報収集を行い、避難所を中心に状況調査を行う予定。
○福岡本部
- 松原・東大阪チームが福岡本部に到着、當麻医師(八尾)同乗し、大分方面の状況調査をしたのち南阿蘇に向かう予定。
- 宇和島チームは四国からフェリーで九州に到着。大分方面から南阿蘇に向かう予定。
- 八尾チームは18時頃福岡本部に到着する予定。その後、高力医師(藤沢)を同乗して熊本に向かう予定。
- 宇治チームは 21時頃福岡本部に到着する予定。
- 岸和田チームは、24時頃福岡本部に到着する予定。本日は福岡本部に滞在予定。
- 高砂西部チームは20時頃に福岡本部に到着する予定。その後、栁澤看護師を同乗して熊本に向かう予定。
- 大隅鹿屋チームは南から熊本入りし、八代市にある「鏡クリニック」に到着。 その後、南から南阿蘇に向かっている。
23:30頃状況
○坂元チーム 5 名(長崎北車両)
18時30過ぎ頃、南阿蘇村役場久木野庁舎に到着。南阿蘇小学校が避難所となっており170人避難している事を確認し、19 時頃同小学校に到着。打撲、擦過傷等6名の診療を行った。その後、同じく避難所となっている長陽中学校と長陽庁舎体育館に500人の避難者がいることを確認し、移動。同体育館仮設診療所を設置し診療することとなった。また、東海大学グラウンドに578名の避難者がいることも確認しており、土砂崩れにより車両ではいけないため、明日徒歩で向かう予定とした。全体的に緊急性の高い医療ニーズはないものの、孤立集落を抱える地域であるため救護所の必要性はある。
また、同地域にある有料老人ホーム「はなみずき」からの要請で、疲弊している職員に代わり、看護師2名(西村・長崎北、川添・福岡)が当直業務に入ることとした。
なお、大隅鹿屋チームと宇和島チームが一時南阿蘇で合流したがが滞在してい たが、大隅鹿屋チームは一旦八代市の鏡クリニックの帰ることとした。
坂元チームと宇和島チームは本日南阿蘇に宿泊する予定。
○當麻チーム(松原・東大阪車両)
18:30 頃、當間チームが福岡徳洲会病院を出発。大分自動車道で大分方面に向 かい、九重町、小国町、南小国町の対策本部、避難所を訪問するも緊急性の高い医療ニーズなし。その後南阿蘇村に向かい、23:30頃坂元チームと合流した。當麻チームも同所で宿泊する予定。(南阿蘇には3チームが滞在)
○高力チーム(八尾車両)
19:30頃、高力チームが福岡徳洲会病院を出発、熊本市内に向かい、益城熊本空港インター近くの「グランメッセ熊本」という大きめの避難所を視察。同所は2500台の駐車場を開放しており、おおよそ7000人超の益城町民が車で避難。 益城町役場職員によると益城町で一番多くの避難民がいる模様。建物は浸水しガラスが割れ使用していない状況。同所に医療チームはいないが、緊急性の高い医療ニーズはなし。
益城町は住宅被害や道路被害が大きく、昨日一昨日TMAT先遣隊が拠点として活動していた益城町役場は倒壊しており、人はいなかった。
その後、益城町の保健福祉センター「はぴねす」に向かった。同所には900名ほど避難者がおりこの地域の医療支援を行っているが、DMATやJMATがす でに活動していた。日中、軽傷や体調不良者が50~100名程度診療したとのこと。明日以降もDMAT、JMATが活動する予定とのこと。
その後、23時過ぎ、熊本医療センターを訪問、DMAT統括と情報交換を行った。本日は熊本市内に宿泊予定。
○栁澤・宇治チーム(高砂西部車両、宇治車両)
21:30頃栁澤・宇治チームは2台で、物資調達の依頼を受けた熊本医療センターへ向かった。必要な物資を調達(小児アレルギー食、粉ミルク等)したのち、 23:30頃熊本医療センターに到着。物資の引き渡しをしたあと、高力チームと合流した。本日は熊本市内に宿泊予定。
○岸和田チーム(岸和田車両)
23時30頃に福岡徳洲会病院に到着し、本日は福岡に宿泊予定。明日は、6時半に熊本に向けて出発予定。
【活動メンバー】
坂元チーム(長崎北車両)
坂元 孝光 | 医師 | (福岡徳洲会病院) |
川添 陽介 | 看護師 | (福岡徳洲会病院) |
白井 耕志 | 看護師 | (福岡徳洲会病院) |
寺才元 孝一 | 事務 | (福岡徳洲会病院) |
西村 俊謙 | 看護師 | (長崎北徳洲会病院) |
當麻チーム(東大阪車両)
當間 俊彦 | 医師 | (八尾徳洲会総合病院) |
田中 雄基 | 医師 | (福岡徳洲会病院) |
西村 浩一 | 看護師 | (松原徳洲会病院) |
田中 文 | 看護師 | (松原徳洲会病院) |
大西 美由紀 | 看護師 | (松原徳洲会病院) |
芝 孝一郎 | 看護師 | (松原徳洲会病院) |
髙力チーム(八尾車両)
髙力 俊策 | 医師 | (湘南藤沢徳洲会病院) |
有本 菜実子 | 看護師 | (八尾徳洲会総合病院) |
土山 優子 | 看護師 | (八尾徳洲会総合病院) |
瀧平 絵美 | 看護師 | (八尾徳洲会総合病院) |
浅海 勇樹 | 事務 | (八尾徳洲会総合病院) |
宇治チーム(:宇治車両)
木庭 茂 | 医師 | (宇治徳洲会病院) |
丹羽 香織 | 看護師 | (宇治徳洲会病院) |
森藤 章宏 | 看護師 | (宇治徳洲会病院) |
藤田 益巳 | 事務 | (宇治徳洲会病院) |
岸和田チーム(岸和田車両)
芳竹 宏幸 | 医師 | (岸和田徳洲会病院) |
中村 直晶 | 看護師 | (岸和田徳洲会病院) |
藤原 裕 | 看護師 | (岸和田徳洲会病院) |
西本 幸司 | 事務 | (岸和田徳洲会病院) |
大隅鹿屋チーム(大隅鹿屋車両)
有村 芳文 | 看護師 | (大隅鹿屋病院) |
伊達 由和 | 看護師 | (大隅鹿屋病院) |
甲斐 昭彦 | 事務 | (大隅鹿屋病院) |
山元 大作 | 事務 | (大隅鹿屋病院) |
久保 公男 | 事務 | (大隅鹿屋病院) |
前村 辰浩 | 事務 | (大隅鹿屋病院) |
宇和島チーム(宇和島車両)
冨永 誠 | 看護師 | (宇和島徳洲会病院) |
田邊 和也 | 看護師 | (宇和島徳洲会病院) |
赤嶺 豊 | 事務 | (宇和島徳洲会病院) |
池田 信正 | 事務 | (宇和島徳洲会病院) |
栁澤チーム(高砂西部車両)
柳澤 修平 | 看護師 | (四街道徳洲会病院) |
橋爪 よしの | 看護師 | |
長谷川 広市 | 事務・臨床工学技士 | (東大阪徳洲会病院) |
羽田 博之 | 事務 | (八尾徳洲会総合病院) |
福岡本部
橋爪 慶人 | 医師 | (東大阪徳洲会病院) TMAT理事 |
倉掛 真理子 | 看護部長 | (福岡徳洲会病院) |
竹中 学 | 事務部長 | (福岡徳洲会病院) |
吉澤 由美 | 理学療法士 | (四街道徳洲会病院) |
屋宜 盛仁 | 事務 | (四街道徳洲会病院) |
鳥飼 茂 | 事務 | (福岡徳洲会病院) |
楠原 省仁 | 事務 | (福岡徳洲会病院) |
江川 美知子 | 事務 | (福岡徳洲会病院) |
東京本部
福島 安義 | TMAT理事長 | |
野口 幸洋 | TMAT事務局 | (一般社団法人徳洲会) |

阿蘇郡の避難所で診療

体育館に多くの住人が避難(阿蘇郡)

住宅被害は甚大(阿蘇郡)

益城町は建物被害大きく人の気配ない

DMAT と情報交換(熊本医療センター)

福岡現地本部(福岡徳洲会病院)
事務局担当
野口 幸洋 (NPO 法人 TMAT / 一般社団法人徳洲会東京本部)
(文責 事務局 野口 幸洋)