西日本豪雨災害
TMAT災害医療活動報告

平成 30 年 7 月 14 日 22:00

第6報

7 月 14 日
【岡山県】
6:00 頃
夜間帯の報告。この日の岡田小学校避難所の夜勤は TMAT 浅野看護師が担当。19 時から 0 時 7 名(擦過傷処置、点眼希望)0 時から 10 時 30
分 20 名(傷処置、湿布希望、内服処方など)看護師で一旦対応、対応できないものは医師が来てからもう一度来てもらうよう説明。クギを踏んだ人が 3 名あり、自宅の片付け中のケガが多い。明るい時間は片付けに専念しているためこの診療所や病院の診療時間には来られないとの声が数名から聞かれた。昨日より自宅の電気が使えるようになり、水も濁ってはいるが使用可能となっており居住できるスペースが確保できる方については夜間家で過ごすとの声も聞かれた。真備地区は渋滞が発生しており、食事などの物資搬入も遅れている。

7:30 頃
高力医師が 9 時からの医療ミーティング出席のため岡山市を出発。

8:30 頃
第1 陣メンバーが活動場所の岡田小学校避難所に向けて岡山市を出発。

9:00 頃
倉敷市医療ミーティング(KuraDRO)に高力医師が出席。昨晩のミーティングで、岡田小学校避難所にて TMAT が夜間の診療をおこなっており、そこでの医療ニーズが大きいことが議論され、その報告を受けてこの日から日本赤十字チームが夜診(15 時~20 時)を同避難所で実施することが報告された。TMAT の活動内容が、倉敷市内全体の診療支援体制を良い方向に影響を及ぼしている。また、鹿児島徳洲会病院DMAT 本部ロジ担当として入っている和田調整員と高力医師が情報交換を行った。この日も TMAT は岡田小学校避難所を担当。

10:30 頃
第 1 陣が岡田小学校避難所に到着。本日からの連休で多くのボランティアが来ていることと、復興作業による重機や工事で通行止めが多くなっていることから、真備地区は大渋滞となっている。当初、10:30からの診療を予定していたが、10:50 分に遅らせスタートした。

11:00 頃
倉敷医療調整本部(KuraDro)本部統括より事務局野口に入電。しばらく、岡田小学校避難所は同地区の拠点となっており、その避難所の医療支援お日赤チームと TMAT に引き続きお願いしたい旨の依頼を受けた。また、今回の TMAT の継続的な支援体制や夜間帯活動におけるニーズ把握等を行ったことに対して、感謝の言葉を頂いた。

12:00 頃
16 日から派遣される第 2 陣メンバーを下記の通り正式決定した。

坂元孝光医師(福岡徳洲会病院)
奥村健一看護師(長崎北徳洲会病院)
竹田加奈看護師(八尾徳洲会総合病院) 藤巻翔看護師(湘南藤沢徳洲会病院) 村上歩紀看護師(宇治徳洲会病院)
吉田萌絵薬剤師(湘南鎌倉総合病院)
山田展大救急救命士/ロジ担当(神戸徳洲会病院)

また、熊本地震支援で TMAT チームとして活動した浦部優子医師も同チームに合流することとなった。
第 2 陣は 16 日朝に、山田救急救命士が神戸徳洲会病院の協力のもと車両にて岡山入りし、坂元医師、浦部医師、奥村看護師、村上看護師と合流し。現地入りする。その他のメンバーは夜までに現地入り予定。

18:00 頃
真備地区の激しい渋滞と円滑な支援活動を考慮し、この日から避難所近くの岡田幼稚園に TMAT の滞在拠点を移すことになった。またこの場所は TMAT と多方面で連携している認定 NPO 法人 AMDA がマッサージ支援を実施しており、AMDA のご厚意にてこの場所をお借りできるよう調整いただいた。

18:30 頃
本日の活動内容。10 時 30 分頃から診療開始。内科系 19 名、外科系
34 名。外科系は土砂の片付けに伴う靴擦れ、接触性皮膚炎、アレルギー性結膜炎などが多い。少数の挫創の縫合、抜爪処置あり。内科系疾患は定期薬処方、上気道炎など。救急車で熱中症患者 3 件の搬入あり。うち 2 件を TMAT で診療。いずれも点滴で症状が改善して帰宅。なお日赤チームが診療した 1 名は救護所での対応は困難で、さらに病院へ救急搬送された。また、心臓手術後の脱水症状患者が来院しため、TMAT チームで持参した携帯型超音波機器(エコー) にて心機能の確認を行った。
石崎看護師と油江看護師は避難所内の巡回を実施。避難者の生活ニー

ズを調査。福祉チームに対応を依頼。ポータブルトイレを 1 台、段ボ
ールベット 2 台が設置された。またペットのいる家族を集めるペット部屋が設置された。18 時半に診療を終了。夜の巡回を終えて活動終了。夜間は油江看護師が当直する。

19:00 頃
NHK 総合で全国放送されたニュースにて、TMAT と日本赤十字チームが岡田小学校避難所で活動している様子が流れた。

※本日もって、先遣隊の高力医師と羽山薬剤師が活動終了となり撤収した。

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看護師よる避難所の巡回実施。

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超音波診療を実施

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日本赤十字チームとも連携

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段ボールベッド設置も支援

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テレビで活動の様子が放映

事務局担当
野口 幸洋 (NPO法人TMAT/ 一般社団法人徳洲会東京本部)

(文責 事務局 野口 幸洋)
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