2020年九州南部豪雨(熊本県)
TMAT災害医療活動報告 第2報

2020 年 7 月 6 日 23:00

第2報

7:30 頃
活動開始。人吉チーム(坂元、鈴木、和田、西原)と熊本労災病院医療調整本部ミーティングに参加するチーム(浦部、川添)で 2 班に分かれる。

8:00 頃
浦部・川添チームは、熊本労災病院医療調整本部ミーティングで、昨晩の芦北町避難所の様子を伝え、
TMAT としては人吉・球磨地域の活動を中心に行う旨を伝える。また複数の DMAT チームも人吉地区に入るとの情報。

8:30 頃
福岡徳洲会病院より物資搬送チーム(金山・寺才元)が出発。

9:00 頃
車両を 1 台確保。浦部と川添が 2 台で行動。同時刻に人吉チーム(坂元、鈴木、和田、西原)は人吉保健所に訪問、劔陽子所長に挨拶。劔所長は茅ケ崎徳洲会総合病院で研修しており、TMAT 福島理事長にお世話になったとのこと。
TMAT チームより本日の方針を保健所長に伝える。

09:30 頃
浦部・川添が鏡クリニックにて医療物資調達。鏡クリニック安藤院長より、TMAT 支援に全面的に協力いただけるとのお言葉をいただく。その後、2 台で人吉チームに合流するため、「さくらドーム」に向かう。

10:00 頃
人吉チーム「さくらドーム」に到着。昨日に引き続き、診療支援・避難所支援活動開始。(鈴木が主に担当)

11:30 頃
浦部・川添がさくらドームに到着し、人吉チームと合流。

12:00 頃
屋外避難所となっている「さくらドーム」避難所にいる約 300名の避難者の移動の調整に入る。
同避難所は屋根のみで壁がなく、地面は土の上にシートを敷いた状態で環境は悪い。そのため、周辺の学校への避難所避難の準備に入り、TMAT はその調整や新規避難所の立ち上げに積極的にかかわることになった。
まずは、「人吉第一中学校」が候補になり、坂元・浦部・和田・西原が現場に入り、行政職員と一緒に避難所立ち上げ調整に入る。

12:30 頃
福岡からの物資搬送チーム(金山・寺才元)がさくらドーム到着。

13:30 頃
人吉第一中学校避難所に坂元・浦部・和田・西原が到着。行政職員と一緒に、感染対策を講じた避難所内のゾーニング、動線の確認、救護所の開設を行った。さくらドーム避難所からの避難者移動が開始され当初は 40 名ほどを受け入れ、DMATが移動した避難所のトリアージを実施。
さらに、多良木高校(廃校)の避難所開設の依頼があり、浦部・西原が現地に向かい、避難所立ち上げ調整の準備に入ることになった。

15:00 頃
浦部・西原が多良木避難所(廃校の高校)に到着。ライフラインは問題ないが、廃校で 1 年半使用していなかったため、水道水は飲用不可。
球磨村職員と熊本県保健師と一緒にレイアウト、部屋割り、受付設置、物資受け入れ等の避難所立ち上げの準備に入る。

15:30 頃
さくらドーム避難所の大部分の避難者の移動が行われ、同避難所の人数は大幅に減少。

16:30 頃
鈴木・川添はさくらドームの活動を終了(さくらドームでは、Peace winds japanや DMAT とともに軽微な外傷と定期薬処方など約 20 名の診療を実施)。避難者 1 名の人吉医療センターへの搬送を行い、人吉第一中学校に向かう。

17:30 頃
鈴木・川添が人吉第一中学校に到着、坂元・和田と合流。坂元医師は人吉第一中学校に移動した避難者に対して、受付横のミーティング室で診療を実施。

17:40 頃
浦部・西原が担当する多良木避難所には 70 名ほどの避難者が入所。さらに追加入所の予定があり総勢 150 名くらいになる見通し。Peace winds japanや自衛隊から物資が届き、それらの物資管理や物資置場整理、リスト管理の支援を行う。

18:30 頃
人吉第一中学校避難所近くにある人吉医療センターでの医療調整ミーティングに、坂元・鈴木が参加。
第一中学校避難所と多良木避難所の状況を説明。本日開設初日ということもあり、
両避難所で TMAT が夜間宿直対応を行うことを提案し、快諾された。

19:00 頃
多良木避難所に追加入所はなく、70 名のまま。人吉第一中学校は 118 名となる。

20:00 頃
本日の夜間宿直担当は、人吉第一中学校避難所で鈴木・和田、多良木避難所は浦部・西原が担当。車中泊も多いため、
車中泊巡回や高齢者の介助・声かけ等を行う。坂元・川添は八代市の宿舎へ戻ることになり、本日の活動を終了。

なお、本隊第 1 陣の派遣メンバーが決定しました。

●派遣メンバー
隊長  當麻 俊彦 医師 (八尾徳洲会総合病院)
    合田 祥悟 医師 (札幌東徳洲会病院)※初派遣
    西村 俊謙 看護師(長崎北徳洲会病院)
    伊藤 舞 看護師(福岡徳洲会病院) ※初派遣
    橋本 夏実 薬剤師(湘南鎌倉総合病院)※初派遣
    武智 一将 事務 (和泉市立総合医療センター)

本隊第 1 陣は 7 月 7 日に移動を行い、夕方に八代市で合流する予定。ただし、九州地方は断続的な大雨で交通機関に大きな影響が出ているため、それらの状況を考慮し、安全な計画で活動する。

全面的に協力していただける鏡クリニックスタッフ

避難所設営の様子

和田看護師 泥だらけの車椅子の洗浄

桜ドーム 避難所調整の様子

和田看護師 泥だらけの車椅子の洗浄

入口受付の様子 検温と名簿の作成

事務局担当
野口 幸洋 (NPO 法人 TMAT / 一般社団法人徳洲会東京本部)
阪木 志帆 (NPO 法人 TMAT / 一般社団法人徳洲会東京本部)
文責 事務局 野口 幸洋
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