2020年九州南部豪雨(熊本県)
TMAT災害医療活動報告 第11報

2020 年 7 月 15 日 23:00

第11報

7月14日
宿直担当:宿直担当:古森看護師 夜間活動報告
19:30
避難所内を巡回。3 名から内服処方をどのように継続したら良いのか相談を受けそれについての対応。
今後このような相談は増加していくと考えられるため相談を受けた際の内服管理表を作成した。
これにより他のスタッフとの情報共有がしやすいと判断した。第一体育館、第二体育館共に寒いと言う訴えがあり本部と相談し体育館の室温調整を行った。
夜間は2 〜 3 時間おきに巡回を行ったが特に異常は見られなかった。

8:30
内服処方切れの相談を受け、近隣のクリニックへ電話し対応。

9:00
佐藤看護師、小坂看護師、鵜澤 救急救命士へ引き継ぎを行い、その後宿舎へ戻る

7月15日
8:30
人吉保健所の医療調整会議に海老澤調整員が参加。ミーティング内容は以下の通り。
➀昨日と同様に、人吉地区は医療ニーズから保健福祉ニーズに移行しつつある、球磨村地区はまだ医療ニーズがある。
➁人吉地区には、リエゾンチームが入る
➂人吉医療センターのER 応援はまだ必要。看護師自身が被災しているため支援が必要。
➃避難者のコロナに対 する不安が非常に強い。人吉保健所が出した通知を基本に対応してほしいとの指示がある
➄DMAT 、 JMAT 、病院機構チー ムで避難所巡回を実施する予定

9:00
多良木高校避難所ミーティングに佐藤看護師、古森看護師、小坂看護師、鵜澤救急救命士が参加。古森看護師は、当直明けのため、ミーティング終了後宿舎に戻る。

9:30
DHEAT の保健師さんと避難者の方々の健康台帳を作成し、全体を網羅的に把握していくことが長期の避難生活には有益だと考え、通常保健師が行う作業をTMAT も協力して行う。(世帯調査や健康相談表の聴取)。聴取した内容を海老澤調整員がデータ化する。

15:00
鵜澤救急救命士が本日をもって活動を終了する。海老澤調整員が人吉インターバス停まで送迎。その後鹿児島空港より帰還する予定。

15:10
避難所会議に佐藤看護師、小坂看護師が参加。
避難者の自助努力に関して、体育館で避難者の中でのリーダーを設置など多良木高校避難所の今後の自立に向けての話がある。

16:00
小坂看護師が新入所者の対応をする。初期アセスメントの実施。

16:30
発熱者の対応を佐藤看護師、小坂看護師が実施。個人防護具を着用して対応。

18:00
医療調整班会議に海老澤調整員が参加。
➀避難者の方々で処方薬が切れてしまう方が多くなってきている。医療機関は通常機能であるが、被災者の方々は車がなかったり、通常はタクシーで通っていて現在タクシーが来ない問題がある。通院の手段を検討する必要がある。
➁支援者側へのメンタル面等の支援が必要になってきている。

20:00 頃
5 名ほど新規の避難者が入所する。

本日の当直は、小坂看護師が担当。本日の状況次第で当直は終了とする予定。また、避難者の方々が医療機関へ通院できるような仕組みを構築できれば、現地の保健行政での対応できると考え、TMAT はシステムづくりをサポートし、17 日㈮をもって撤収することを決定した。この方針は現地で指揮をとる長崎県の担当者にも報告済み。また、本日をもって鵜澤救急救命士の活動を終了とした。鹿児島空港より飛行機にて帰路につく。

小坂看護師(右)個人防護具を着用して発熱者の検温を実施

避難者への面会受付の対応 古森看護師

野口 幸洋 (NPO 法人 TMAT / 一般社団法人徳洲会東京本部)
阪木 志帆 (NPO 法人 TMAT / 一般社団法人徳洲会東京本部)
文責 事務局 野口 幸洋
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