【 平成18年 6月 8日 23:30 】
医療活動状況
全患者数 205名
TMAT診察 50名 (うち処置47名)
入院患者数 18名
主な診療内容
- 脊椎骨折で入院中の患者さん2名に対し當麻先生が汗を流しながら体幹ギブスを作成。電動ギプスカッターの音におびえる患者さんと黒山の人だかり。
- 腰痛を訴える90代の老婆が2名。うち1名は食事が満足にとれていないために点滴を施行。いずれも外傷は軽微と思われるが、精神的ダメージが大きい。
- いつの震災でも問題になることだが、精神的なサポートが今後の課題。
- 現在はX線撮影をした場合、フィルムは患者さん自身に渡されることになっており、他の施設で撮影されたフィルムを持参して診療所を訪れる患者がいるため、これに対するギプスの修復などを行う必要が生じている。
- 発災後10日以上経っているというのに、いまだに骨折の初診例がいる。
*亜急性期におけるX線装置の需要は高い。ポータブル撮影装置の導入がのぞまれる。
今後の診療に関して
- タバナン県立病院からは、Dr.Srliが、現地で活動を行います。
- 初期治療が済み、重症の患者さんは、適当な医療機関に紹介し、転院をして頂いている。
- 野外の臨時ベッドは激減し、多くの患者さんは、屋内の施設に移動することが出来た。
- ジャカルタでも有名なプライベートホスピタルからスタッフが来院。「骨折の患者がいれば引き受ける」とのことであった。小児の大腿骨頸部骨折を1名転院となった。
- クリニックの前の非常スペースの工事が行われ、これまではカーテンで簡単に仕切られていたものをベニヤ板で補強し、診療スペースが作られた。
支援物資の活用に関して
- 国内から輸送した支援物資で、未使用のものは、現地クリニックに寄贈し、その後の活用方法に関しては、クリニック理事長と、タバナン県立病院との間で、検討して頂くこととしました。
ご支援頂いたメーカー、代理店、徳洲会グループ病院皆様に深く感謝致します。 - 医療機器のうち、使用頻度の高い、電動ギプスカッター、パルスオキシメーターは、現地クリニックに寄贈致します。
(インドネシアでは、石膏ギプスが主流であり、今回多国籍の医療チームが持ち寄ったギプスはプラスチィック製である為、需要が高い物品です)
日赤医療チームの活動視察
松尾医師、梅原看護師は、近隣で活動する、日赤医療チームを視察して来ました。
梅原看護師の感想:
「きれいな水を供給する大きなタンク、きれいなテント、ベッド、診察室、薬棚すべてが整えられたところのように見えました。いろいろな国の赤十字社がチームを組んで活動しているようでした。
スタッフの服装も統一されているような感じでした。」
明日の予定
- 清水医師、萩原コーディネーターは、ジャカルタの日本大使館に、活動報告を兼ね、ご挨拶に参ります。
*第2陣の現地での活動は、6月12日終了を予定しています。第2陣の活動にて、今回のインドネシア ジャワ島中部地震における、緊急災害医療援助活動を終了する予定です。多くの皆様のご協力・ご理解を賜り、感謝致します。
(文責 事務局 ㈱徳洲会 吉 紀三)